KanonSS
○再度警告です。親韓派の人は、読まない方が幸せに暮らせます。以下を読んで不快になった場合は、自らの責任で不快を選んだとみなします。

 おかずに垂らす醤油を1滴多くかけてしまったのと同程度のことではあったが、美坂香里は数日前のことを気にしていた。
「あたしとしたことが少し取り乱してしまっていたようね」
 起動中のモニターを前にして自然と頬に手が添えられ、支えるために肘をテーブルに置く。勢い余って強打した“E”のキーが心なしかぐらついているような感じがした。
「ねぇ香里、どうかな?」
「まだ分からないけど、調子が良いとは言えなさそうね」
「う〜」
 困ったためなのか不満を訴えたいのか、隣で様子を眺めている水瀬名雪が眉をひそめた。香里が設定し直してやった時よりも、けろぴー2号のパフォーマンスは確実に落ちていた。起動にすら倍以上の時間を費やしている。デフラグだってちゃんとやったし、重要な設定には手を加えられないようにユーザー規定もしっかりしているはずだ。試しにタスクマネージャでパフォーマンスを確認してみる。アプリケーションは正常だしCPU占有率もページファイルもそこそこだ。
「おっかしいわね」
「だよね〜」
 香里は背筋を伸ばして一旦モニターから顔を離した。名雪も用意してあった苺ウエハースをもう一本囓る。

 香里が名雪からのエマージェンシーコールを受けたのは昨晩のやや深夜に掛かろうとする時刻であった。まだ勉強をしていた香里にとっては別段迷惑なことでもなかったし、携帯電話の液晶に表示された送信相手の名前は警戒すべきものでもなかった。
「か、香里、どうしよう!」
「3ヶ月くらいまでなら母胎も安全らしいわよ」
「違うよっ!」
 疲れた頭を軽いボケで癒しつつ、香里は演習問題の最後の回答欄に答えを書き込んでペンを置いた。
「で、どうしたのよ? あんたがこんな時刻まで起きているなんて、余程のことね」
「けろぴーが……けろぴーが……」
「あのパソコン? また相沢君が悪戯したの?」
「ううん、祐一の弄るのは相変わらずだけど、わたしが使っていたら急に変になっちゃって」
 どうやら名雪の愛機・けろぴー2号が突然フリーズして、そのまま何も動かなくなってしまったらしい。
「Ctrl+Alt+Deleteは?」
「ダメ〜何も変わらないよ〜」
「それってどのくらい前からなっているの?」
「15分前くらいかな〜」
 直接パソコンを操作してみないと確実なことは言えないが、どうやら名雪程度の知識では打つ手がないらしい。香里は「あまりやっちゃいけないんだけど」と前置きしてから最終的な結論を下した。
「リセットして、再起動するしかないわね」
「リセット? 再起動?」
「強制的に終了させて、もう一度動かす事よ」
「分かった」
「あ、ちょっと待って名雪……」
 香里が台詞をまだ言い終わらない内に、受話器の向こうからかすかに何かを断つ音がした。
「コンセントからプラグを抜いたよ。次はどうするの?」
 のほほんと名雪が言ってのける。香里の記憶によると、けろぴー2号にはバッテリーは内蔵されていなかったはずだ。香里は、本日一番時間の掛かった数学の設問の時よりも深刻な気分になった。そして、もう今日はこれ以上勉学に勤しむ気が失せたので卓上を片付けながら言った。
「明日、あたしが看てあげるから、パソコンをそのままにしてあんたも今日は寝なさい」


コリアンジェノサイダー
nayuki

第二話・中世編

 で、学校の帰り道に商店街へちょっと寄ってから水瀬家へ訪問することになった。名雪達が帰宅一番乗りだったので、香里も遠慮することなく名雪の部屋へとまっすぐ上がった。その間に名雪は、冷蔵庫や戸棚からお気に入りの苺菓子だけをチョイスしてトレイに並べていく。香里がけろぴー2号を卓上にセットし電話回線をプラグに差し込んだのと、茶菓子を持った名雪が部屋へ入ってきたのはほぼ同時だった。
「どう香里? 治りそう?」
「まだこれからよ」
「お願いするよ〜」
 香里はノーパソ本体のスイッチを確認してから、電気コードのプラグとコンセントを繋げた。本体のダイオードがオレンジ色に発光し始める。ハードは基本的に特に故障はないようだ。外付けのFDDの位置を少しまっすぐにして本体のスイッチを入れた。
 ブーン……ガコガコ
「最初ほどじゃないけど、また妙な動きをしているわね」
「う〜、まだ壊れたのかな〜」
 急須の口から発するコポコポという心地よい音と、けろぴー2号のカエルの悲鳴のような起動音が並行して流れる。それでも前回よりは遙かにマシな状態で起動を終えた。デスクトップもすっきりと乱れていない。
「もう一度確認するけど、相沢君は何もしていないのね」
「うん。わたし、香里から教えて貰ったパスワードは絶対吐かなかったよ」
「よろしい。管理者パスワードを教えたが最後、けろぴー2号はエロぴー2号になっちゃうんだからね」
「それは嫌だよ〜」
 前回の設定で、管理者以外にはインストールやアンインスト、設定変更等は出来ないようにしておいた。名雪以外に出来るのは、ネットの安全サイトを廻る程度のことだろう。
「ところで名雪、調子が悪くなった時の状況を教えて」
「ええと、韓国の人とお話ししようと思って……」
「あの翻訳サイトに接続していたの?」
「うん。そうだよ」
「どうしてあんなところに」
「だって香里が悪いんだよ」
「どうしてあたしが?」
「あんな終わり方したら、韓国の人に「日本人は悪者」だと思われちゃうよ。わたしは日韓友好をしたいんだもん。ちゃんと謝っておかないとダメだよ」
「何よ。それじゃ、あたしが悪者みたいじゃない」
「悪者だよっ」
 名雪の断固とした追求に、香里はばつが悪くて視線を逸らした。確かにあれは少しやりすぎた……勝利者ではあったがそう反省している。下手をすれば一人の人生を破滅の道に追いやってしまったかもしれないのだ。
「ま、まぁそれはそれとして、翻訳掲示板に接続していた時に調子が悪くなったのね?」
「うん。発言したら急に止まっちゃって」
「……なるほど」
 香里はOSのコントロールパネルのインターネット接続の設定画面を開くと、設定の一部にチェックマークを入れてから再起動をした。また同じく妙な動きで起動が行われていたが、途中で止まって何かが画面に表示される。

 −CAUTION! ××のポートから外部に情報を発信しようとしています−

「やっぱりね」
「香里、これ何?」
「スパイウェアよ。あんた、翻訳掲示板に接続した時に仕込まれたわね」
「ええ? 何それ?」
 スパイウェアとは要するに他人の情報を入手するために送り込むワームやウイルスの一種である。感染したPCは、個人情報などを知らない内に外部に発信してしまっている。これを悪用されると、他人に勝手に名義を使われたり、最悪の場合キャッシュカードやクレジットカードを無断使用されてしまう。
「普通は各アプリケーションに最初から保護的な措置がかけられているけど、セキュリティホールを突かれるとやっかいだわ。バックドアを作られかねないわよ」
「えと……あの……ロシア語?」
「エスペラント語よ」
「香里すごーい。そんなの判るんだ」
「冗談よ。真に受けないでよ」
 軽いボケもツッコミ相手がこれでは張り合いがない。元々ボケ役は名雪の仕事なのだから仕方あるまい。閑話もここまでで休題にして、そろそろ本題に入らねばならないだろう。香里は帰宅途中に寄った電気店で買ったパッケージを手に取り、包装ビニールを破った。
「やっぱりそれ必要なの?」
「残念ながら」
 香里はそう言ってふと矛盾に気付いた。これが役に立つということは状態は悪いので喜ばしいことではないのだが、逆に何事もなかったら出費が無駄になってしまうのでこれも良いことではない。どちらにしろ最上には成り得ないし他に選択肢もなかったので、これからの活用の必要性を強調して自分に納得することにした。そして出費の本人にも納得させる必要があるだろう。
「インターネットをするのなら、このくらいは最低限しておくべくよ」
「キラーウイルスハカイダー……なんかすごい名前だね」
 香里が選んで名雪に買わせたのは、最もメジャーなアンチウイルスソフトだ。香里が特別このソフトの信者というわけではなく、機能と名雪の懐具合から折衷して選んだのだった。
「まずはウイルスの除去からね。これはインストール時にやってくれるから、同時進行で問題無さそうね」
「良く分かんないけど、香里よろしくね」
 不安そうに愛機けろぴー2号と自分を代わる代わる見ている名雪に、香里は「安心しなさい」と声をかけてCDドライブにディスクを入れた。すぐにインストーラが起動して、“次に進む”をクリックし続けるとアプリケーションがメモリとHDDをスキャンし始めた。
「メモリ256MBとHDD40GBか。ちょっと時間が掛かりそうね」
 香里は一旦気を抜いて、冷め始めたお茶に初めて口を付ける。静音機構になっているとはいえ全力稼働でHDDを回しているので少々堅い音が続く。
 Beep!
 早速反応がある。レジストリにスパイウェアを発見したようだ。ソフトは最初に設定した通りに全自動で駆除していく。その次にはOS内にトロイ型のウイルスを見付け、さらにProgram fileフォルダ、tempフォルダと休む間もなくsearch&destroyは続く。
「……たった数日でこんなに汚染されているとは」
 香里は呆れを通り越して軽い恐怖さえ感じていた。感染経路は何となく推測出来ていたが、それにしてもまさかこれほどとは思ってもみなかった。
「あの〜香里、どういうことなの?」
「細かい説明は省くけど、あんたのけろぴーは重病人だったってこと」
「大変だよ〜。どうしたらいい?」
「治すために追加出費したんでしょ。安心しなさいって」
 珍しく慌てている名雪を、香里は落ち着き払ってお茶を飲みながら納めた。ウイルス駆除をしている間は何もしようがない。駆除が終わったらこれまた自動でインストールされるはずなので、とりあえずは手持ち無沙汰だ。
「判らないとは思うけど一通り説明しておくわね。知らない用語などの疑問点は後で教えるから、とりあえず概要だけ頭に入れておいてね」
「う、うん」
「名雪が昨日接続した翻訳siteには、サーバーの周囲に攻撃プログラムが配置されていたの。そのサーバーに接続すると自動的に追尾して攻撃する、例えて言えば地雷か機雷のようなトラップね。けろぴー2号は速度優先の環境設定にしていたから、保護はあまりしていなかったわ。これはあたしのミスでもあるけど」
 スラスラと解説する香里に、名雪はただ頷いていた。もちろん何も判らずただ相槌を打っているだけだったが。
「それで?」
「結局ActiveXやらセキュリティーホールやらから進入されて、中から乗っ取られそうになっていたの。それを考えると、名雪がコンセントを抜いたのはある意味では幸運だったわね」
「え? そうなの?」
「ええ。おそらくインターフェイスからの操作も不可能だったはずだから、電源自体をカットして汚染を食い止めたのは結果的に成功だったわ」
「ふーん」
 もちろんデータ破損とHDDクラッシュの危険性は非常に高かったのであるが、パソコン自体を乗っ取られてクラックされることに比べれば、ずっと賢明な措置であったろう。
「ま、そういうわけで、これからは速度を多少犠牲にしてもセキュリティを重視しなければならないようなのよ。普段は今の設定でも良いけど、翻訳掲示板に接続するときにはセキュリティレベルを最高に上げておくべきね。大体判った? 質問はある?」
「全然分かんない」
「あ、そ」
 香里はガクッとうなだれて溜息をついた。しかし一度で理解するなど普通は無理であろうし、詳細な設定変更など最近パソコンを使い始めたばかりのものには不可能であろう。とりあえずは名雪の性格と用途に合わせてこちらで設定をしてあげるべきだろう。
 そうこうしているうちにインストールも全て終了したようだ。オートで再起動し、ネットに回線を接続して最新ファイルをダウンロードしている。けろぴー2号はADSL接続だから、ファイルを落とすのもほんの数秒で完了する。
「さて、それでは細かい設定をしておくわね」
「お願いね香里」
 名雪が両手を合わせて拝んでくる。どうせ言っても分かりはしないと思いながらも、香里は一つ一つ口に出しながら操作を行った。
「最も確実なのは回線にパケットフィルタリング機能が付いたルータを挟むことなんだけどそんな追加投資する予算は無さそうだし、解説書を見た限りではマザボにファイアウォール機能は付属していないようね。まずはOSのファイアウォールをonにするの。次に接続設定でフォルダの共有機能をoffにしセキュリティレベルなどを上げるわ。普通は『中−低』だけど、『高−中』にして必要な時にはウインドゥで許可の確認をするように設定する」
「うんうん」
「次にインストしたアンチウイルスソフトの常駐を設定し、こちらもファイアウォールをon、つまり二重に防御しておくの。そして当然ウイルスも常時監視。ここまですると確実に通信速度は落ちるし機能は制限されるけど、安全のためには仕方ないわ」
「少しくらい遅くなっても気にしないよ。待っている時間も結構楽しいし」
「納得してくれると助かるわ。最後に外部接続にはproxyを必ず通すように設定するわ。契約しているプロバイダの解説書はある?」
「えと、良く分かんないけど解説書はこれで全部」
 名雪はノーパソに付属している解説書を全部香里の前に置いた。慣れていれば見なくても判る導入時解説や、自作派にしか判らないようなマニアックな仕様書まで混在している。香里はその中から名雪が使っているプロバイダの解説書を選び、書かれているproxyのホスト名を打ち込んだ。
「これで一応完成ね。よほど下手な扱いをしない限りは、これで安全なはずよ」
「香里ありがと〜。昨日の掲示板にも繋げるね」
「日韓翻訳のこと? そうね、試しに接続してみましょうか」
 香里はブラウザを起動させると履歴から最新の分をクリックした。画面上には徐々に画像が現れ始める。8Mの通信速度にしてはかなり遅いが、これもパフォーマンスを犠牲にした結果なのだから納得するしかないだろう。
 画像もほぼ取り込み終えて、操作可能な状態になっていく。その時……
 Beep! Beep!
「え? 何? 急に鳴り出したよ〜」
 またもや発せられる警報音に、名雪は緊張して口に中にあった苺大福を一気に飲み込んだ。「ちょっと勿体ない」という思いを感じつつも、苺大福を存分に味わえなかった悔恨を払拭して、香里の方を注視する。
「早くもattackされているわね。それにしてもここまでセキュリティを強化したのに瞬時に攻撃が開始されるとは……まるで地雷原に突っ込んだようだわ」
 事実、韓国serverには追跡プログラムが無数にばらまかれている場合がある。ほとんど単純な追跡であるが、希にポートを攻撃してクラックする凶悪なものも混じっているので要注意だ。
 とりあえずここまでは充分にブロックしているようだ。読むだけならば全く問題ないであろう。
「香里、韓国の人とお話し出来る? 出来るようになった?」
 香里の心配などよそに、けろぴー2号の持ち主の方はコミュニケーションだけに興味を向けている。まぁ普通のユーザーはそんなところだろうと香里は諦観し、モニターの前の席を名雪に譲った。
「ええと、まずはログイン……と」
「あら、よく覚えていたわね」
「えへん。昨日復習したんだよ」
 ああそういえば、と香里は納得した。それが原因でけろぴー2号は死にかけたのだが。名雪は知らないだけで自分を棚に上げているのではないのだろうから、香里はそれ以上のツッコミはせずに成り行きだけを見守った。
「こ・ん・に・ち・は・。・わ・た・し・は・け・ろ・ぴ・ー・と・い・ち・ご・が・す・き・な……」
 名雪は右人差し指だけで文字を入力していく。ほんの40文字程度を2分もかけて打ち込み終わり、変換して送信ボタンを押す。香里が教えるまでもなく、名雪はちゃんと学習していたようだ。

:nayuki<こんにちは。私は苺とけろぴーが好きな日本人です。お話ししましょう。

「やったよー〜。一人で出来たよ〜」
 まるで初めてお使いにでも行ったような感激の言葉を述べながら、名雪は感動に震えていた。前回の日韓ネット上接触は不幸な結果に終わったので、今回が名雪にとって仕切直しの初めてなのかもしれない。

 Beep Beep Beep Beep
「あ、あれ〜?」
 バチン!
 警報が激しく鳴った後、突然画面が消失した。唖然としている名雪の前で、けろぴー2号が再起動していく。
「ど、どういうこと? 香里、ねぇ香里〜」
 またしても異変が起こって名雪は混乱する。あたふたと右往左往する彼女を横へと除けて、香里は起動画面に表示される文字を追っていた。
「特に異変はなさそうよ。単に強制的な再起動をさせられただけのようね」
「でも〜」
「IP snoofingによる嫌がらせか……偽造パケットとは韓国人も色々とやってくれるわね。名雪、仕方ないからセキュリティ最高にして多段串を設定しておくわよ。あと念のためにjavaとcookieも拒否ね」
「良く分からないけど、お願いするよ〜……」
 ここまで設定を厳しくすると最近の新しい機能は何も使えないのと一緒だ。しかしこの日韓翻訳掲示板を安全に活用するためにはどうしても必要な措置らしい。このままでは他のHPを巡回する際に充分楽しめないだろう。香里はまた一つ溜息をつきながら、セキュリティのレベルを一つあげた。
「はい名雪、これで安全だと思うわ」
「ありがと〜。じゃ、さっきの続きをするね」
 名雪は喜々として翻訳掲示板へと入っていった。相変わらずattackは激しいようだが、ここまで強固な安全措置には勝てないようで全てブロックされている。ついでにBeep音がうるさいのでそれもoffにしておいた。これで破られるようなら、もうどうしようもないだろう。
「あ、香里、もうお返事が来ているよ〜」
 先程発信した発言にresが一つ付いている。あちらも学校が終わって帰宅したところなのだろうか?
「じゃあ、日韓友好を開始するよ〜」
 名雪は先日の汚名返上とばかりにresを開いて画面に大きく広げた。

:kiljap<盗賊の倭寇が友好とは笑わせるね。プハハ〜

「……」
「……」
 見間違えカナ?と思って名雪は目をこする。しかし何度見てもその挑発文は、自分が投稿した「こんにちは」の下に吊り下がっている。
「え……えと〜」
「友好するんじゃなかったの?」
「そ、そうだよ〜。友好だよ〜」

:nayuki<歴史のお話は別にして、仲良くお話ししましょう。
:kiljap<日本猿どもはそうやって我が国から奪っていった!


「ど、どうして〜?」
 名雪が懸命に下手に出ているが、韓国人の尊大な態度は一向に収まろうとしない。元々タイピングが早くない名雪は、韓国人怒濤の罵倒に精神的に圧迫されていく。
「う〜う〜……」

:nayuki<日本人は悪い人ばかりではありません。
:kiljap<チョッパリドルはhideyoshiと同じ猿だ! 全員悪者だ!


「hideyoshi? ヒデヨシ?」
「豊臣秀吉のことでしょ」
「あ、そうだね」

:nayuki<豊臣秀吉の朝鮮出兵のことですか?
:kiljap<そうだモンキーよ! 壬辰の倭乱だ!


 韓国では、秀吉の朝鮮出兵のことを『壬辰倭乱』と言っている。日本の歴史教科書では1ページ程度で説明するほどのものであるが、韓国では4ページも費やして教えている。その内容たるや……

:kiljap<倭軍は卑劣にも突然侵略を開始し 我が民族を虐殺した! そして死体から耳を切り取る蛮行をし 数多い韓国人を日本に強制連行した! 野蛮な奴ら!

「言われてみれば習ったことがあるよ〜。日本は酷いことをしたんだね。謝罪しなくちゃだよ〜」

:nayuki<ごめんなさい。悪いことをしました。
:kiljap<謝って済む問題ではない! 日王と日本人全員が韓半島に来て 韓国人全員の前で土下座して謝れ! そして100兆円賠償しろ!


「そ、そんな無茶だよ〜」
 低姿勢を貫こうとしていた名雪も、この要求には鼻白む。天皇陛下が半島に行幸されることでも大事なのに、その上土下座をして国家予算以上の額を支払うなんて無理である。
「名雪、あのねぇ……」
 それまで傍観していた香里が、仕方なさそうに助けに入った。名雪が謝って事が収まるのなら放置しておくつもりだったが、ここまで言われると理不尽だ。
「朝鮮出兵なんて400年も前のことでしょう。どうして現代の私たちが謝罪しなければならないの? 第一、“突然侵略した”なんて嘘よ。何回も朝鮮に使者を送っていたけど、朝鮮は「文化後進国の日本に何が出来るか」と侮って無視していたのよ」
「でも〜……」

:kiljap<日本人は死体を切り取ったり食べたりする野蛮人! 貴様らは臆病なので我が軍に負けて泣いて逃げ帰った! 無様な奴ら! ハハ〜

「……この下品な言葉遣いは何とかならないのかしらね」
「うん。ちょっと酷いかも」
「訂正しておきたいわ」
「だめだよ香里〜」
「安心しなさい。昨日みたいなことはしないわよ。冤罪を晴らすだけなんだから」
 香里は名雪に指示して、言う通りに文章を打ち込んで貰った。

:nayuki<秀吉軍が朝鮮を侵略したことは認めます。でも死体を切り取ったのは敵兵の数を確認するためであり、その後に『耳塚』というものを作って供養しています。
:kiljap<倭人の猟奇趣味か? 全部食べたに違いない!
:nayuki<そんなことはしていません。
:kiljap<嘘だ! 日本人は人食い人種!


「どうしてここまで歪んだ日本観になるのかしらね?」
「香里〜なんか気持ちが悪くなったよ〜。話題を変えようよ〜」
 名雪はスプラッタな想像が脳裏を駆けめぐって不快になっていた。元々苺とけろぴーの話をするつもりだったのに、突然人肉食いに発展されては気分も悪かろう。
 香里はそんな名雪の状態を汲んで、次の討論に切り替える。

:nayuki<秀吉軍が朝鮮から陶磁器職人を連れて行ったことは事実ですが、徳川家康が帰しています。

「え? そうなの?」
 名雪は自分が打った文章を自分で驚いて香里に尋ねた。
「ええ。家康は中国などに和平し、秀吉が半島から連行した朝鮮人を帰しているわ」
「さすがは香里だよ〜。そんなことどうして知っているの?」
「先日いろいろあったから、ちょっと日韓関係のことを調べたの」
「ふーん」

:kiljap<嘘だ! 連れて行った朝鮮人達は全員拷問されて死んだ!

「か、香里〜」
「いちいち騙されちゃダメよ。しっかり記録も残っているんだから」

:nayuki<朝鮮通信使を招いた時、一緒に帰しています。ただし職人は日本に残ったようですが。
:kiljap<貴重な陶器職人を日本は監禁していた! 朝鮮文化は大きな被害を受けた!


「そうだったんだ……。日本って酷いことをしたんだね……」
「だから……はぁ」
 香里は名雪の素直なところは美点として認めているが、こういう場合は最大の弱点に変わってしまう。いや、ほとんどの日本人はこのように責められたら反射的に罪悪感を感じて自責に押しつぶされてしまうだろう。
 ただし知識がなければの話であるが。

:nayuki<職人が帰らなかったのは、自発的なことです。

「そうなの?」
「ええ。朝鮮は肉体労働を下品なものとして軽蔑する習慣があったの。医師や職人は最下層の奴隷や平民と同じ立場で、学者や官吏以外の仕事は全て恥ずべきものとされて、腰を曲げる動作すら卑下していたわ」
 特に両班と呼ばれる官吏の労働蔑視は有名である。逸話によると、ある両班が背を伸ばしたまま顔を洗っていたそうだ。当然水は下に滴り落ち、服はずぶ濡れになる。驚いた人が両班にどうしてそんなことをするのかと尋ねると「愚か者め。腰を曲げたり自分で顔を拭いたりするのは、卑しい平民のすることだ」と平然と言ったという。
「そんな社会だったから、当然職人も軽視されていたの。逆に日本は職人を尊敬する習慣があるから、日本に連れてこられた朝鮮の職人は、最初は悲観的だったけど母国に比べてずっと良い待遇をしてくれる日本が気に入ってそのまま留まったのよ」
 江戸時代の第一回から第三回(1607~1624)までの通信使は豊臣秀吉の朝鮮出兵で捕虜にされた人の帰還交渉を目的としていたため「回答兼刷還使」と呼んでいる。ただ、帰還した人数は極めて少なかったという。「回答兼刷還使」は、訪日の度に京都に1ヶ月ほど滞在し帰還希望者を捜したが、予想よりもずっと少数だった。。故郷の疫病や飢饉などによる悲惨な状況を聞き知っていたのであろうと思われる。
「ふぅ〜ん」
「でもこれを言うとまたややこしいことになりそうだから、別の話題に……」

:kiljap<くそチョッパリ! お前達がそんな嘘つきだから李舜臣将軍に皆殺しにされるのだ!

「……心配する必要もなかったわね」
 早速別話題での攻撃に移ったようだ。
「香里、李舜臣将軍って誰?」
「韓国では有名で日本でも少しだけ知られているけど、その他では全くの無名な人よ」
 李舜臣は秀吉軍に対抗する朝鮮軍の将軍として活躍した人であり、水軍の名将としてその名を讃えられている。
「でも香里、秀吉軍が全滅したなんて、わたしは知らなかったよ」
「あたしもよ」

:nayuki<李舜臣は知っていますが、秀吉軍が全滅したというのは間違いです。
:kiljap<ハハ〜言い訳か? 倭軍は李舜臣将軍の活躍で無様に敗走した!
:nayuki<確かに李舜臣の水軍には手こずらされましたが、秀吉軍は有名な武将を一人も失っていないし大局的には朝鮮軍を圧倒していました。
:kiljap<また歪曲か? 我が国は義兵が各地で抵抗し すぐに倭軍を追い返した!
:nayuki<それは違います。秀吉軍の第一次出兵では、たった2ヶ月でソウルを占領し、平壌を陥落させています。そして朝鮮王子を捕虜としていますね。


 事実は、朝鮮王朝の苛政に苦しんでいた朝鮮民衆が秀吉軍を解放軍だと思って協力したのである。しかしそのうち期待を裏切られたと判った民衆が反旗を翻し、秀吉軍に抵抗したのは事実らしい。

:kiljap<嘘だ! お前達は李舜臣将軍によって苦しめられた!
:nayuki<李舜臣は4つ有った朝鮮水軍の一つの司令官で、総司令ではありません。しかも海上で勝負が付けられず結果的に秀吉軍の上陸を許しています。そして朝鮮水軍は補給船団を襲って秀吉軍の補給路を断っただけです。だから秀吉軍は撤退したのです。
:kiljap<違う! 我が軍が秀吉軍をうち破ったからだ!
:nayuki<陸戦で秀吉軍に勝ったのは、朝鮮王の要請で出撃してきた明軍が来てからです。
:kiljap<嘘だ歪曲だ捏造だ! 明軍はずっと後から援軍に来ただけだ!
:nayuki<秀吉軍はその当時、最新兵器である鉄砲を世界一保有していた軍隊です。一度は明の大軍すら破っています。全く訓練されていなかった朝鮮軍が、長い戦乱で戦闘のプロと化していた秀吉軍に独力だけで勝てるなんて不自然です。


「鉄砲を世界一? そうなの?」
「ええ。朝鮮出兵時には30万丁を保有していて、数だけならば世界の90%だと言われているわ」

:kiljap<ハハ〜。世界一の保有だと? 捏造だ! 我が軍は全て独力で倭軍を撃退した! 我が民族が潜在的に優秀だからだ! ウリナラマンセー!

「……潜在的って……」
「これが韓国人の自尊心なのね」
 韓国歴史教科書では、このように無理矢理ねじ曲げた歴史を弁解する理由として、全く根拠の無い『民族の優秀性』を挙げることがある。神話の檀君を事実だとしたり三国時代の百済が日本より強国だと言ったりするのは、全てこれだけが根拠なのである。

:kiljap<韓民族は一度も他国を侵略したことのない平和民族だ! チョッパリは尊敬しろ!

「あれ? おかしいな。日本は朝鮮に攻められたことあるよね」
「元寇と応永の外寇ね」
「うん。日本だって被害に遭っているよ〜」
 日本人ならば誰でも知っているように元寇は元と高麗の連合軍が文永の役で3万・弘安の役で14万の大軍で攻めてきた、現代以前では日本史上最大の被侵略である。応永の外寇は1419年に朝鮮によって対馬島を侵略された事件である。
 加えて言うと、現在でも竹島が韓国警察によって不法占拠されている。

:nayuki<大変失礼なことだと思いますが、日本は朝鮮に攻められたことがありますよ。しかも、秀吉の朝鮮出兵より前のことです。

 名雪としては「お互い様だから、もう言い合うのは止めよう」というつもりだった。欧州でも隣り合った国同士は侵略したりされたりの歴史だ。そんな関係は珍しくもない。日本と韓国だって例外ではないのだ。しかし……

:kiljap<捏造するなチョッパリ! 我が民族はお前達のような侵略などしない!

「しないって……あの、実際に〜」

:nayuki<元寇で、私たちの国と貴方の国は喧嘩していますけど。
:kiljap<無識め! 日本征伐は、お前達倭寇を罰するために仕方なくしたことだ!


「ば、罰する? 征伐?」
 しかも“仕方なく”。名雪は、それまで蓄積してきた知識に楔が打ち込まれたような気になった。そこを起点にして亀裂が入り始める。
「で、でも韓国の人がこんなに怒って言っていることだし〜こんなに堂々と嘘なんて言うはずがないよね。やっぱり日本の歴史教育は間違って……」
「名雪、しっかりしなさい!」
 朦朧とし始めた名雪の意識は、頬に発生した痛覚で現実に引き戻された。
「ひ、いひゃいよ〜」
「あんたね、この程度の詭弁に騙されないでよ」
 香里の叱咤とほっぺたひっぱりで名雪の視界は正常に回復する。眼前のモニターには、いつの間にやら自分で打ち込んだ『ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。……』との文字で埋め尽くされており、後一歩で送信してしまうところであった。
「あのね名雪、元寇は日本が一方的に侵略された事件よ。OK?」
「う、うん」
「それを韓国では、自己正当化のため『征伐』と恣意的に言葉を誤魔化しているの」
「え……だって韓国って、そういう言葉の定義には厳しい国だって聞いたことがあるよ」
 1982年の教科書記述事件である。韓国と中国は、日本教科書が『侵略』を『進出』と書き換えたとして大抗議してきた。しかしこれは日本新聞の誤報であり、実際はそう書き換えた教科書は皆無であった。ただ一語の微妙なニュアンスの違いだけでこれほどヒステリックに叫ぶ韓国が、自分の侵略行為を完全に正当化して『征伐』と明記しているのである。
「名雪、良く聞いてね。1272年、高麗の王世子・椹(後の忠烈王)は「惟んみるにかの日本、未だに聖化を蒙らず。故に詔を発して軍容を継耀せしめんとせば、戦艦兵糧まさに須いる所あらん。もし此事を以て臣に委ねなば」「王師を小助せん」とフビライに進言しているわ。要約すると「日本は野蛮で文化の無い国なので、モンゴル様の威光を知らせて教化してやる必要があります。だから私に軍をお貸し下さい」と言っているの。それに、実際に動員された高麗兵の士気も高く、釈円鑑は「東征頌」で、「鼓ヘイ巨浸に轟き、旌旆長雲を払う。驍勇皆死に趨き、英雄競いて勲を立てんとす。」と日本侵略を鼓舞していたの」
「ほえ〜。香里、よくそんなことまで知ってるね〜」
「今では小学校で習うらしいわよ」
「そ、そうなの? それじゃわたし、小学生以下だよ〜」
「冗談よ。本気にしないで」
 だから韓国教科書や韓国人が言っているような“蒙古の強要”“倭寇の征伐”というのは嘘である。事実は、モンゴルに占領されてしまった高麗で、高麗王は「モンゴル様の領地を増やして差し上げましょう」とおべっかを使い、また朝鮮庶民の不満を逸らすために外敵を攻めようとしたのである。
 元国が日本を属国にしようとしたことは事実であるし大使を何度も日本に送ったのも本当である。直接の原因は、当時の日本の幕府が過剰な態度で断固として元国の要求を拒絶したことにあるだろう。
 しかし韓国人の言う『反対したが無理矢理させられた』は、弁解に過ぎない。
「ほら、韓国人に本当のことを言ってあげなさい」
「うん。そうするよ」

:nayuki<高麗が積極的に日本を攻めたのは、元史や高麗史に書かれています。
:kiljap<捏造だ! 我が民族は侵略に荷担などするはずがない!


「捏造って……ちゃんと史料に書いてあるのに……」
 香里はもう頭痛すらしてきた。横の名雪も同じように精神的疲労をしている。
「もう適当に謝っちゃいなさいよ」
「そうだね〜。不毛だよ〜」
 名雪は差し障りのない終了の言葉を入力した。そして送信ボタンを押そうとした。その時……

:kiljap<判ったかクソ病身!

 ピクッ
 げんなりと下を向いていた香里の眉が、バネに弾かれるように急上昇した。
「か、香里、抑えて抑えて」
「ええ、判っているわ。あたしはまだ冷静よ」

:kiljap<病身! お前の家族は遺伝子病! 生まれながらに劣等な病身! キャッキャッキャッ

 香里の瞳が揺らめいてきた。冥界の底からねっとりと発光する赤色の溶岩が、瞼の淵にまで立ち上ってきている。
「大丈夫だよね。まだ大丈夫だよね?」
「ええ、まだ少しくらいは我慢出来そうだけど」

:kiljap<お前の妹も知的障害! プハハハ〜 病身一家〜

 プチーン
 先日と同じく、名雪にはそんな幻聴が聞こえた。恐る恐る、横にいる親友を見る。
「ひいっ」
 そこには十万億土から駆けてきたような夜叉が居た。神経も筋肉もないはずの髪の毛が“ゆらぁ”と舞い上がっている。
「名雪、場所を代わって」
「香里っ落ち着いてっ」
「名雪、あたしは大切な親友をあたしの手で不幸にしたくないの。分かるわね?」
「それってどういう意味……?」
「言葉通りよ」
「はわぁぁ〜」
 もうこうなったら止められない。名雪がおずおずと席から後退すると、香里は含み笑いを浮かべながらキーボードに指を添えた。

:nayuki<ろくに戦いもせず魚の餌になった負け犬どもが、何を吠えているのですか?

「か、香里〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
 止めようにも香里の背後から立ち上る攻撃的オーラに阻まれて、名雪はその場を一歩も動けなかった。要するに腰が抜けていた。

:kiljap<なんだと?
:nayuki<李舜臣が韓国の英雄? 笑えますね。元寇の時、日本軍は水際で元・高麗連合軍を撃退し、本格的上陸を許しませんでした。防衛戦とはそのようなものであり、易々と10万もの秀吉軍を上陸させてしまった朝鮮軍は基本的に無能です。
:kiljap<李舜臣将軍は世界一の名将で有名だ!
:nayuki<そいつは日本人が有名にしてやったのです。
:kiljap<嘘をつくな!
:nayuki<日露戦争で有名になった東郷平八郎元帥が、日本人的な謙譲で「私などより李舜臣の方が名将だ」とお世辞を言っただけです。その言葉がなければ、李舜臣なんてただの卑怯者でしたよ。
:kiljap<訂正しろ! 李舜臣将軍は韓民族ならば誰でも知っている救国の英雄だ!
:nayuki<プッ。ならば李舜臣の菩提寺はどうなっていましたか? 孔子は、墓だけではなくその周りの孔廟も大切にされていましたね。しかも大規模で世界遺産にまで登録されていますよ。
:kiljap<−
:nayuki<答えられませんか? 当然ですね。李舜臣は、朝鮮政府から反逆の疑惑がかけられて何度も投獄されていますからね。戦死後は、一族全部が歴史から抹殺されている。救国の英雄を謀殺する朝鮮人、“恩”って言葉を知っていますか?


 李舜臣の死後は少しの期間だけは祀られていたらしいが、すぐに忘れ去られて1707年以降は放置されていたらしい。それが再建されたのは、日本の統治時代になってからである。しかも東亜日報という新聞が募金を募ってやっと行えたのであり、それまで粗末に扱われていたのは明白である。

:kiljap<李舜臣将軍を悪く言うな!
:nayuki<悪くなんて言っていませんよ。李舜臣を哀れみ、必要が無くなったら自国の英雄すら簡単に捨てる朝鮮人の愚劣な精神を嘲笑しているだけです。犬も3日飼ったら恩を忘れませんよ。韓国人は犬以下ですね。
:kiljap<李舜臣将軍はずっと大切にされていた!
:nayuki<はぁ? 反逆者として処罰していた者を、朝鮮政府が大切にするわけがないでしょう。それとも朝鮮全土に、李舜臣を引用した書物はどれだけありますか? 民族的英雄ならば、さぞかし多くの書物に引用されていたことでしょうね。
:kiljap<かんしゃくおこる〜!!!


 事実、韓国では今でこそ英雄視されているが、東郷元帥が言及するまで朝鮮国内では全くの無名であった。朝鮮は文官が支配する国であり、武官は軽視されていた。だから第一回の朝鮮出兵で大手柄を立てた李舜臣を、権力に固執する文官が策謀の末に謀反の濡れ衣を被せて投獄している。そして第2回の朝鮮出兵が始まると慌てた朝鮮政府は李舜臣を再び出獄させ、最下層の兵士として戦わせた。でも新しく将軍になった朝鮮官僚が無能で朝鮮水軍が敗退すると、朝鮮政府は慌てて李舜臣を将軍に復位させている。
 要は利用するだけして、価値が無くなったらポイと切り捨てたのである。

:nayuki<しかも李舜臣が日本軍相手に大勝した? 事実は、補給船団を海賊のように襲っただけです。しかも最後は、嘘の休戦協定を日本と結んで、油断して撤退中の日本を背後から襲うという卑怯な戦法。
:kiljap<お前靴やタックゴ出るに靴汚かったと言って捏造専門史家が生きて呼吸する日本
:nayuki<翻訳が乱れ始めましたよ。落ち着きなさい(w
:kiljap<李舜臣将軍はお前達を皆殺しにした! 倭人は李舜臣将軍を見れば恐ろしくて逃げ出す!
:nayuki<李舜臣将軍の最後を知っていますか? 卑劣にも撤退中の秀吉軍を後ろから襲ったけど、日本の島津軍に返り討ちに遭い、鉄砲で撃たれて魚の餌になったのです。韓国の英雄に相応しい惨めな最後ですね。

 つまりは韓国で教えられている李舜臣の英雄奇譚は、補給船団の襲撃を“倭国の大艦隊を正面から撃破”、嘘の休戦協定で騙し討ちにしたのを“慢心している敵に機知を生かした快勝”、秀吉が死んで撤退中の日本軍を後ろから奇襲したのを“最後の大決戦で倭国軍は敗走”となっているのである。
 ただし李舜臣の戦略は称賛に値する。秀吉軍と正面から戦わず補給船団を襲って補給ルートを断つことによって、味方の犠牲を最小限にして敵を窮地に追いつめたのだ。東郷元帥が言ったと伝えられているように、名将であったことには変わりない。

:kiljap<歪曲だ! 全部日本の歪曲だ!
:nayuki<では李舜臣の正確な記録は何なのですか?
:kiljap<乱中日記だ! 李舜臣将軍の日記だ! これがあるから倭人の捏造は通用しない! お前の間違いを認めて謝るなら今の内だ!
:nayuki<プッ、馬鹿ですか? 『乱中日記』の草本を発見して出版したのは、朝鮮総督府。つまり日本です。
:kiljap<−
:nayuki<李舜臣の子孫は祖先を神格化しすぎて改竄を重ね続けたけど、草本が見つかって朝鮮人の美化歪曲が明らかになったのです。今、あなたが知っている李舜臣の記録は、日本が再現してやったものですよ。ププッ

 遠慮も情けも慈悲も無い香里の攻撃が執拗に続く。韓国人の根拠の無い大言壮語と違って事実に基づいているので、責められている相手も文句の出しようがない。生殺しというか真綿で首を絞めるというか、一刀で首を刎ねるのではなくジワジワと精神から崩壊させていく圧力だ。
 名雪には、これまでの人生全てが否定されてのたうち回っている韓国人の姿が容易に想像出来た。実力差が有りすぎる。
 これを回避する方法は少ないだろう。そしてその中の一つが韓国人名物のこれである。

:kiljap<日本は韓半島の偉大な文化に嫉妬して侵略した!
:nayuki<話題逸らしですか? 醜いですね。
:kiljap<うるさい! だまれ! お前達が悪いの! 泥棒の子孫は恥ずかしがって!
:nayuki<朝鮮に文化? 全てを中国に事大して、何でも中国式に変えた朝鮮にどんな文化が? あ、そういえば朝鮮人は姓名も中国式に変えたんでしたよね。見上げた犬畜生精神です。
:kiljap<秀吉は朝鮮の高度な仏教遺産を全て破壊した!
:nayuki<朝鮮は中国に事大して国教を儒教に変えた際に徹底的に廃仏をし、秀吉軍が朝鮮に入った時にはわずか36ヵ寺にまで減らされていました。自分たちがやったことを誤魔化して、日本に責任をなすりつけないでください。
:kiljap<我が国は荒廃して300年間も復興出来なかった! 日本は謝罪しろ!
:nayuki<またお得意の責任転嫁ですか? 朝鮮が荒廃したのは、明軍と朝鮮軍が清郷堅野作戦(焦土作戦)で農地を焼き尽くしたからです。朝鮮政府と明軍は、日本を撃退するためだけに自国民数百万を飢え死にさせたのですよ。
:kiljap<嘘だ! お前の捏造だ!
:nayuki<秀吉軍がどうして補給路を断たれただけで物資が無くなったと思うのですか? 現地調達すれば良いだけです。でもそれすら出来なかった。朝鮮国民を犠牲にした焦土作戦をしたからですよ。
:kiljap<我が国を破壊し尽くしたのは秀吉だ!
:nayuki<馬鹿ですか? 自分で破壊して自分が餓えて退却するとでも?
:kiljap<クハハハ〜 倭人は殺すことしか考えない馬鹿だったのだ!
:nayuki<その秀吉軍に簡単に敗北したのは、どの大馬鹿ですか?


 焦土作戦は中国の頻繁に使う戦法である。事実、日中戦争でも国民党が堤防を破壊したりと、自国を荒廃させることを省みない戦術を乱用している。狭い日本国内では意味が無い戦法だが、移動に何日も費やさねばならない広大な中原では食糧の現地調達は必需だ。また自国農地を破壊してしまえば領主自身が困るだけだし農民の反乱もあるので、日本では使うはずもないのである。
 なのにこれも秀吉軍の仕業にされてしまっている。とにかく悪いのは何でも日本。実に楽な精神構造である。

:nayuki<こんな笑い話がありますよ。『韓国人が興奮してアメリカ人に朝鮮民族の優秀性と日本人の悪事を説明した。するとアメリカ人は驚いてこう言った。「我々は日本に原子爆弾を2つも落としたが、日本人は数十年で完全に復興した。優秀な朝鮮人を300年間も荒廃させた秀吉とは、どれほど強力な爆弾を落としたのだ?」』。つまりどこかの乞食民族が不甲斐ないだけです。
:kiljap<秀吉は朝鮮の征服が目的だった! 偉大なウリナラがアジアで一番重要だったからだ!
:nayuki<妄想が悪化したのですか? 秀吉は明国を征服したくて出兵しただけで、朝鮮など通り道程度にしか考えていませんでした。薬を飲んで精神を鎮めてくださいね(笑)。
:kiljap<韓国は偉大な国だ! 倭国も中国も無視できない!
:nayuki<朝鮮出兵後の和平会談は、明国と日本の間だけで行われています。朝鮮のような塵は、両国から無視されていましたよ。プッ


「ねぇ、香里、香里、そのくらいで止めようよ〜」
 苛烈を極める香里の攻勢に、見ている名雪の方が恐怖してくる。このままではまた一人の人生が狂ってしまいかねない。しかも日韓友好の亀裂はさらに広まるばかりだ。
「相手も可哀想だよ〜」
「可哀想?」
「そうだよっ。いくら討論でも、相手を思いやる心は必要だよっ」
「ふっ、そうね。討論には互いに尊重する態度が必要ね」
「香里、分かってくれたんだね!」
 名雪は安堵の呼気をはき出した。今ならまだ、丁寧に謝罪すれば間に合うだろう。名雪は場所を代わって貰うため、香里の側に寄っていった。
 しかし……そこで見たのは、香里の唇に浮かぶ非情の陽炎だった。
「討論だったら尊重しても良いわよ。でもね……」
 香里の手のひらが、つ、と名雪の頬を撫でた。軽い、しかし恐ろしいほど凍てつく。
「悲しいけど、これ“戦争”なのよね」

:nayuki<しかも元寇の前に高麗軍が行った虐殺の非道さは、韓国人の性根と同じくらい最悪だったですね。

「香里っ、香里〜っ!」
 人道的な助命懇願も、虐殺の炎が点った香里には届かなかった。

:kiljap<誇り高い我が民族は虐殺などしない!
:nayuki<戦場となった対馬と壱岐では、男は殺害、女は集められて手の平に穴を開けられて縄を通され船縁に吊るされました。200人の少年少女が「強制連行」され、高麗王とその妃に献上させられるなど、残虐行為を繰り返されましたね。
:kiljap<捏造だ! 捏造だ! 捏造だ!
:nayuki<一説によると、日本人捕虜を船縁に吊り下げて、日本軍が矢を射れないようにしたんですってね。こんな汚いことを考え付く韓国人は、世界最悪です。
:kiljap<倭人〜
:kiljap<そう、倭寇だ。我が民族は倭寇を征伐した! 海賊征伐は正義!
:kiljap<日本は海賊の子孫〜
:kiljap<倭寇は最悪〜キャッキャッキャッ
:kiljap<日王も小泉も倭寇の子孫〜 ハハ〜


 何を開き直ったのか、韓国人がたった一つの言葉を盾に罵倒を再開した。
「そうだよ香里、日本は倭寇で朝鮮の人に迷惑をかけたんだから……」
「だから?」
「ここここ、ここは、一つ、」
「一つ、何?」
「なかっ、仲良く〜っ」
 名雪はどもりつつも最後の気力を振り絞って和平を提案する。
「仲良く?」
「そうだよっ。倭寇は日本が悪いに決まって居るんだからっ」
「どうして?」
「どうしてって……」
「これでこの韓国人の死は確実になったのよ。生半可に生かしておくのは可哀想だから、ひと思いに殺してやるのが情けじゃないの」
「香里〜っ!」

:nayuki<ふーん、倭寇って酷いのですね。
:kiljap<当たり前だ! 倭寇は殺されて当然の海賊だ!
:nayuki<どのくらい酷いと思いますか?
:kiljap<世界に類を見ない残虐なやつだ! 目の前にいたら俺が叩き殺してくれる!
:kiljap<絶対叩き殺す!


 キラーン
 香里の瞳が虐殺の愉悦に輝いた。

:nayuki<ところで『世宗実録』って知っていますか?
:kiljap<当たり前だチョッパリよ! 朝鮮の偉大な記録だ!
:nayuki<『世宗実録』に書いてある事は正しいのでしょうね。
:kiljap<倭人と違って我が民族は嘘をつかない! 捏造も歪曲もしない!
:nayuki<ふーん。では『世宗実録』28(1446)年の記事によれば、「倭人不過一二而本国之民仮著倭服成党作乱」つまり倭寇のうち日本人は一、二割に過ぎず、ほかは日本人に成りすました朝鮮半島の民であった。とありますね。
:kiljap<-
:nayuki<どうしました? 発言が詰まっていますよ。クスクス


 『不過一二而』の箇所は『1〜2件』または『1〜2例』とも解釈可能だ。どちらにしても何百回もあった倭寇の襲撃の中で、本当の日本人は極少数だったことになる。正確に言うと日本人以外の民族が倭寇を騙っていたのは後期倭寇だ。前期の倭寇は文字通り日本人の海賊であるが、清代の徐継畭の『瀛環志略』、朝鮮後期の安鼎福の『東史綱目』には、倭寇の原因は日本に対する侵略(元寇)を行った高麗人に対する報復という一面があることを指摘している。
 それに倭寇は豊臣秀吉が1588年に海賊取締令を出して以来日本では途絶している。以後も続いた倭寇は、確実に日本人を騙った朝鮮・中国人海賊である。

:kiljap<嘘を言うな! そんな事実など無い!
:nayuki<おやおや。『世宗実録』は真実の記録ではなかったのですか? プッ
:kiljap<検索したがそんな記述は見つからなかった! この捏造チョッパリよ〜
:nayuki<ふーん、ところであなたは漢字が読めるのですか?


「え?」
 名雪はそこできょとんとなった。漢字くらいは基本である……少なくとも名雪にはそう感じられた。中国で作られた漢字は、半島と日本に伝来したはずだ。韓国人も韓国歴史教科書も「ウリナラは日本に漢字を教えてやった」と大威張りしている。

:kiljap<クハハ〜 我が国の偉大なハングルが在れば漢字など読めなくても良い! それがどうかしたのかチョッパリ!

「ええっ? 韓国の人って漢字が読めないの?」
「そうよ。元々19世紀までは識字率が低くて文字自体が普及していなかった上に、20世紀にハングルばかりが普及したから漢字を使わなくなったの」
「でも韓国の人の名前って漢字でしょ?」
「そうね。名前だけは中国の属国だった時の名残で漢字を使っているわ」
「それに朝鮮の昔の記録って、漢字で書いてあるんでしょ?」
「だから現代の韓国人が読めるのは自分の名前の漢字程度よ。自分の先祖の記録も読めないのよ」
「そうだったの〜?」
 韓国を知らない日本人は驚くことだが、これは事実である。漢字は韓国では、日本で言うとフランス語やドイツ語とほとんど変わらない位置にある。もちろん26文字しかないアルファベットと違い漢字は常用だけで2000文字近くあるので、普通の韓国人は自由に使いこなせない。日本が漢字と平仮名を併用していたように、以前は韓国人も漢字とハングルを併用していたが、現在ではほとんど全てハングル表示に切り替わっている。また1978年に漢字教育も中止したので20歳代より下の韓国人は漢字がほとんど読めないのだ。

:nayuki<漢字も読めないのでは『世宗実録』の内容も読解不能ですね。
:kiljap<翻訳本が出ている!
:nayuki<韓国内で読める『世宗実録』では、漢字からハングルに翻訳する時にその部分が故意に隠蔽されていますからね。貴方が知らないのも無理はありません。隠蔽が国家的な韓国に生まれた不幸を呪いなさい。
:kiljap<この野郎チョッパリ! 我が国を愚弄するな!
:nayuki<ではどうしてこんな重要な部分を中学や高校の学校教育で教えていないのですか? 現代韓国人が漢字を読めないことを利用して、韓国政府が過去の記録をハングル翻訳する際に隠蔽しているからですね。


 実は『世宗実録』のハングル翻訳版はCD-ROMで発売されている。それにはしっかりと『本当の日本人倭寇は1〜2割』という箇所も収録されている。だが韓国教育界は、それを公然と無視し、相変わらず「何でも倭寇が悪い。すなわち日本人が悪い」と言い続けている。

:kiljap<捏造だ! お前の言っていることは全部妄言!
:nayuki<中国の『明史』にも似たようなことが書いてありますね。『真倭(本当の倭寇=日本人)は、10の内の1から3だった(真倭は十の三、倭に従う者十の七なり)』つまり80%は中国人と朝鮮人だったということです。
:kiljap<チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ! チョッパリ!
:nayuki<朝鮮人の飼い主である中国様の言うことにも逆らうのですか? 韓国人は北京に足を向けて寝られないって本当ですか? 朝起きると本能的に北京に向かって土下座するってのは本当ですか?

 中国・朝鮮人達が倭寇を騙った理由は簡単だ。日本海賊の日本刀(倭刀)を使った切り込みが恐ろしく強力で、大陸の刀剣では文字通り太刀打ち出来なかったのだ。中国製の槍や剣で防ごうとしても、日本刀はそのまま叩き斬ってしまう。反対に重い青龍刀を叩き付けても、細身に見える日本刀は難なく受け止めてしまう。接舷されて乗り込まれるとほとんど為す術がなかった。故に大陸出身の海賊達は倭寇を名乗って相手を威嚇した。虎の威を借る狐だったのである。
 また後に中国・朝鮮人海賊も倭刀を仕入れて使うようになったこともあり、倭刀を使う海賊=倭寇と単純に定着してしまった経緯もある。他にも海賊自体が国際化して民族の垣根が無くなったとする説もあるが、とにかく本当の日本人海賊は日本が平定すると共に消失していった。

:nayuki<韓国の学校では『海外で良いことをしたら「私は韓国人だ」と言いなさい。悪いことをしたら「日本人だ」と言いなさい』と教えているそうですね。韓国人は600年前から日本人を詐称して「I am Zapanese」と言っていたのですか。素晴らしい民族ですね。
:kiljap<どうして同族が海賊をしなければならないのか! 論理が破綻しているのはお前なの〜
:nayuki<朝鮮人は平気で嘘をついて同族からも略奪する最悪の民族だと言うことです。
:kiljap<捏造! お前の言っていることは全て嘘!
:nayuki<あれ? 『世宗実録』は韓国人の誇りで真実ではなかったのですか? 自分の発言には責任を持ってくださいね(笑)。
:kiljap<モンクギー! お前の負けなの! 早く逃げ出しなさい! 今なら許してあげるよ!
:nayuki<勝っている方が逃げ出すのが韓国の習慣なのですか?
:kiljap<お前は勉強が足りない! 俺に比べたらお前なんか赤ん坊だ!


 韓国人の罵倒がどんどん子供じみてくる。端から見ていれば、この韓国人は自分こそが逃げ出したい感情をアクティングアウトしているだけであるが、興奮している本人はそれが全く把握出来ていない。
 哀れだ。しかし妹という逆鱗に触れてしまったからはその程度で終わらせては貰えない。

:nayuki<ところでこの発言を守ってくださいね。<:kiljap<世界に類を見ない残虐なやつだ! 目の前にいたら俺が叩き殺してくれる!
:kiljap<くそ汚い奴ら! 洗脳されたウェワンドルだ.. 死に物狂いで捏造された
:nayuki<<:kiljap<世界に類を見ない残虐なやつだ! 目の前にいたら俺が叩き殺してくれる!>プッ
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:nayuki<おやおや、自分の発言も守らないのですか? そう言う人間を何というのか知っていますか? 『嘘つき』です。
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!


 もはや韓国人の発言には理性がなかった。香里は一つ、くすりと笑って最後の送信ボタンを押す。

:nayuki<偉大な朝鮮なんてあなたの脳の中にしか存在しないのにね。幸せな朝鮮人chodingですね、あなたは(嘲笑)。

 グギャーーーーーーーーーーーーーー
 おそらくは半島のどこかで、精神の断末魔が響き渡った。

:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!
:kiljap<偉い 天猿 大和 倭猿らは私たちを吟ヤした汚い血朝鮮人 倭王を処断しよう!! Banzai!! Banzai!! Banzai!!

……

 連続投稿が画面を埋め尽くしていく。急激に通信速度が遅くなり、サーバーからのパケットが届かなくなる。
「ふっ、終わったわね」
「香里、これは……」
「韓国人名物:連続投稿とF5攻撃よ」
 F5攻撃、それは単純にしてある意味もっとも効果的なサイバーテロである。InternetExplorerでHPを開きながら上のF5ボタンを押すと分かるように、もう一度リロードを行う。これを連続して行うと、発信serverに多大な負担をかけることになり、最悪の場合サーバー自体がダウンする。韓国人によるサイバーテロは有名で、PC普及数は日本より少ないのにサイバー犯罪は世界第三位にランクインしているほどだ(日本はランク外)。
「さて、こうなったら翻訳掲示板自体が使い物にならなくなるわ。今日はもう何も出来そうにもないわね」
「香里〜……」
「どうしたの? 顔が真っ青よ」
「また日韓の友好が破綻したよ〜。これじゃあ何のための翻訳掲示板なのか分からないよ〜」
 非難と悲しみで満ちている眼で名雪は香里を半ば睨んだ。もちろん香里としてはそんなことお構いなしだ。
「あら、あたしはあの韓国人が自分で約束を守れるようにしてやっただけよ。あたしの妹を愚弄した、万死に値する罪を許して、あの韓国人に約束を遂行までさせてやったのよ。感謝して貰うことはありはすれ、恨まれる覚えはないわね」
「約束って……?」
「明日になってみれば分かるんじゃないかしら?」
 香里は意味深げな笑みを浮かべると、もはや冷め切ったお茶を一口飲んで心身のクールダウンを為した。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

次の日。
「香里、総合掲示板に書いてあったけど、昨日のkiljapって韓国の人が管理者から永久追放処分を受けていたよ〜……」
「当然でしょうね。サーバーにあれほど迷惑をかけたんだから。韓国のサイバー警察が自宅訪問するのも時間の問題かしらね」
「それが分かっていて……?」
「彼は<俺が叩き殺してくれる!>と誓ったことを実行しただけよ。殺す相手は自分自身だっただけなんだけどね。あたしはそれを手伝ってあげただけよ。ふふふ……」
「はぅ〜……」

 第二話 終わり
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こんにちは

 李舜臣・安重根・金九は韓国の3大英雄ですが、どれも美化歪曲(笑)されています。「李舜臣は世界四大提督に数えられている」とか「世界中の海軍では李舜臣の戦法を学ぶ」とか真剣に信じています。
 夢は壊したくないので、韓国人がこれに関して威張ったら「はい、そうですね」と聞き流してあげた方が良さそうです。

 では。

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